アリゾナレザーってどんな革?
エイジングがカッコいいイタリア革、アリゾナ
先日、リペアで戻ってきたDeepLeatherの手帳カバー。9ヶ月ほどお使いになられエイジングが良い感じでしたので写真を撮ってみました。
見て分かるかと思いますが、右がエイジングで深みが出たアリゾナレザーです。左は未使用でまだ新鮮なオレンジ色のままです。自然な艶と焼けた感じでオールド感が出て良い風合いですよね!
新しい糸で縫い直し、保湿クリームでメンテナンスをしてお客さまの方へお返し致しました。革って本当に丈夫なので、金具や糸を替えながらずっと使っていけるところに魅力を感じます。
アリゾナレザーの美しいトラ目
今回はアリゾナレザーのネイビーを入荷しました。これからまたひとつひとつ革アイテムを仕立てて行こうと思っておりますが、今回のアリゾナ!トラが美しい・・・。思わずパシャリと撮っちゃいました。天然シボも当然良い味出しておりますが、流れるような、このトラ目が好きなんです。「生」を感じちゃいますね。
それでは、アリゾナレザーってどんな革なのか、もっと深く掘り下げていきたいと思います。
なるほど!風見鶏のわけ
アリゾナレザーはトスカーナ州にあるLA BRETAGNA(ブリターニャ社)というタンナーさんが作っています。
そして、床面には数字と鶏(ニワトリ)のマークが焼印されています。いつも何も考えずにスルーしていましたが、最近になってその理由が分かったんです。
イタリアンレザーと称される革、じつはその原皮はフランス産というのも珍しくありません。つまり、フランスで生まれ育った牛がイタリアで革として生まれ変わるようなイメージを持っていただければ良いでしょう。
そして、フランスと言えばニワトリはシンボル的存在で、ノートルダム大聖堂の風見鶏なんか有名ですよね!つまり、ブリターニャ社のロゴマークはフランスを表しているということなんです。よく見れば、色もトリコロールカラーですね(^^;)全然気づきませんでした・・・。
こういう発見も面白いですよね。イタリアンレザーですがフランスを思わせるロゴマーク、そして革の名前はアメリカの州・・・。なぜ、アリゾナなのかはわかりませんが。
時間がかかる工程を経て作られるアリゾナレザー
皮革の値段はピンキリですが、アリゾナレザーは価格が高い革に属すると思います。価格が高い理由はやはり素材の良さにあります。
まずは、鞣し剤が植物性ということ。化学薬品で知られるクロム鞣しの場合、時間が短いこともあり大量生産もしやすいのだそう。一方の植物性の天然鞣しの場合は時間も手間もかかり量産が難しいこともあり、その分値段も高くなるのだそうです。
イタリアンレザーではよく耳にするのがケブラチョという樹木のタンニンを使ったもの。日本では植物タンニンで鞣している会社は少ないようです。さらに日本で使われる植物タンニンにはミモザのタンニンが使われているのだとか。個人的にはドライフラワーのイメージが強いミモザですが、確かにミモザの樹って結構大きくなりますよね。ミモザのタンニンは革との相性が良いのでしょう。
染料で芯まで染めるアリゾナレザー
アリゾナレザーはカラーも豊富です。発色もよく鮮やかなカラーが特徴です。染料で繊維の中までしっかりと染めらています。表面だけを染めた革と違い、繊維の中までしっかりと染めるので時間もかかります。総じて、アリゾナレザーに限らず染料染めされたイタリアンレザーというのは、手間と時間が掛かった品質の良い革と言えます。
(写真上)アリゾナレザーのオレンジです。細かいシボ感が素敵ですね
(写真下)アリゾナレザーのネイビーです。濃紺でクラシカルな雰囲気、大人の革小物って感じです❤︎
(写真下)アリゾナレザーのレッドは深みが強く、とっても素敵な色なんですよ。
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